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寺田 圭輔 先生

職種:作業療法士(リハビリの先生)

勤務種別:介護老人保健施設勤務

経験年数:4年目

 

利用者さんの「最終的には自分でできるようになりたい」を支援することが、リハビリ職の仕事。

 

介護福祉士から作業療法士になったのは、利用者さんの選択肢を広げたいと考えたから。

-寺田先生、こんにちは。介護者の皆さんに向けて、作業療法士という職種をご説明頂けますか-

作業療法士の“作業”というのは、人が日常生活を行う上でのすべての行為を指します。

作業療法士は、その“作業”という広い分野に関して、患者さんの身体・精神を支援し、適切なアドバイスしたり、リハビリテーションを行う職種です。

作業が困難になるケースが多いのは、整形疾患・脳疾患の患者さんです。

アドバイスは、例えば玄関に上がるのが困難になった時に、○cmの台を置くと上がりやすくなるとアドバイスすることや、ペットボトルを開けられない時に適切な自助具を紹介する等です。

 

 リハビリ職は、魚を釣ってあげるのではなくて、釣竿を渡してあげる職種。

 -寺田先生は作業療法士になる前は、介護福祉士だったそうですが、その背景を教えてください-

はい。もともと介護福祉士を3年経験し、作業療法士になりました。

オムツを履いている方でもトイレで排泄したいという人が多いことを介護福祉士時代に実感し、実際に自立して排泄できたと喜んでくれたときに嬉しかったのです。介護福祉士の時は、その経過をみて支援する事が主でしたが、実際に自分で変えたいという意識が強くなっっていたのが作業療法士の資格を取った背景です。

作業療法士になってから、リハビリをしていく中で、患者さんの作業や生活の選択肢が広がっていくのを見ると、嬉しくなりますね。

 

-介護福祉士と作業療法士で、患者さんを診る視点が異なる点はありますか-

介護福祉士として重要なポイントは、利用者さんが入所中にどれだけ楽しんで生活できるか、そして退所に向けて継続できるかという事です。

一方で、作業療法士の場合は、患者さんが今後どう生きていくのかを見ることが重要になりますし、より専門的・徒手的な観点で、徹底的に関わることができます。

 

また、「支援」という定義も違うと思います。

介護福祉士の場合、利用者さんができないことがあれば、それを一緒にやることが「支援」の定義です。作業療法士の場合は、より具体的に角度などのコツを教えて、利用者さんや介護者さんが自立して生活できるようにすることが「支援」の定義です。

 

例えば、「ベッドに寝かせた後に、枕元に身体を持っていくにはどうすれば良いか」と介護者の方によく聞かれるのですが、介護福祉士の時は、「お尻を持って、頭を持って、お尻から持ち上げるんです」と介護者さんと一緒になってやっていましたが、作業療法士になってからは、持ち上げる時の角度等のコツ、リスクも合わせて教えることができます。

作業療法士の場合は、魚を釣ってあげるのではなくて、釣竿を渡してあげると言えば分かりやすいですかね。

在宅での継続的な介助が重要であることを考えると、利用者さんや介護者さんがご自身で「この作業・動作ができた」と感じてもらう必要があり、その支援はリハビリ専門職しかできないと思います。

 

最終的には、「自分でできるようになりたい」を、支援する。

-「利用者さんに作業・動作の達成感を感じてもらえた」という事例はありますか-

50代の男性で左の脳出血、全失語の方の事例をお話しします。

彼は人が言っている事は理解できますが、ほとんど話すことができない方でした。

また、後遺症のため、座っている事も難しく、少し身体を動かすと痛みが出る方で、最初はどう支援すれば良いのか分かりませんでした。

ただ一点だけ、お互いの中で決めていたことがあります。

それは「なるべく排泄はトイレでする」ということでした。

最終的に、立つ時に介助は必要でしたが、介助しながらトイレで排泄できたときに、満面の笑みで僕に話しかけてきてくれました。

この事例のように「最終的には自分でできるようになりたい」という方が多いのです。

ですので、リハビリ職が全てをやるのではなく、ご自身で達成感を感じてもらう事が大切だと思います。

また、何のためにこのリハビリテーションをやっているのか、ということをきちんと理解・共有するために極めて具体的なシチュエーション(ご自宅と近いシチュエーション)でリハビリをすることも重要です。

 

-寺田先生は、今は介護老人保健施設で勤務されていますが、以前は回復期病院でも勤務されていたと聞きました。リハビリをするにあたり、何か違いはありますか-

はい。回復期病院の場合は、麻痺自体を良くする。そして、いかに楽に立ってもらえるようになるかというのが重要でしたが、老健の場合は、時間も短いですし、在宅復帰を見据えて何としてでも動ける手段を模索します。

 

-介護者の方ともコミュニケーションを取る機会は多いですか-

はい、多いですね。

例えば、ご自宅での自主トレーニング方法や、介助の方法などをアドバイスすることが多いです。

自主トレーニングは、なかなか家でできない方も多いのですが、予め施設でもご自宅とほぼ同じ環境でトレーニングを実施し、習慣づけてもらう等の工夫をしています。

 

-ありがとうございました。最後に介護者の皆さんにメッセージをお願いします-

「シップや薬を飲んでも治らないし、薬を飲むのが辛い」ということを最近よく聞きます。

そんなとき、作業療法士や理学療法士からのアドバイスがあれば、もっと早く良くなる可能性は高いと思います。ですので、いつでも気軽に聞いてくださいね!

 

 

 

 

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