Pocket

太田秀樹先生

職種:医師

医療法人アスムス理事長

【在宅医療のパイオニア】

 

目指すものは1分1秒でも長く生かす長寿ではない

 

-24年にわたり在宅医療に取り組まれ数多くの看取りを支えられたご経験から、介護をするご家族にむけてメッセージをお願いします。

 介護をする家族の意識の中には、愛情以外の複雑なものがあると常々現場で感じています。

例えばお嫁さんであれば、お嫁さんのプライド、世間体、時には自分に対する評価などです。介護が介護される本人のためにあるということが忘れられがちで、本人がどうしたいか、本人の想いを中心に据えてどういう介護が良いのかを考えるべきかと思います。

親が要介護状態になった時に、少しでも長く、一分一秒でも長く生きてもらおうと考えることで返って負担になっていることもあるのではないでしょうか。

本人が「もう食べられなくなったから私はそれでいい」というのであれば、それが本人の意思であるなら、食べられなくなった時に胃袋に穴をあけてまで栄養を送って排泄の世話をして、ベッドの上で何年も生かし続けるよりも、「本人の想いを尊重してそれを支えよう」と気兼ねなく言えるような雰囲気を作っていくことが大切ではないでしょうか。

北欧など先進諸外国では、加齢にともなって食べられなくなったら、人生が終わりだという考えが一般的です。

本人が望んでいないことをやるのは本人を苦しめているわけで、そこをきれいに整理して合理的に物事を考える必要があるかと思います。

本当に本人の想いを大事にしてケアしようとしているのか、どこかで自分をよく見せようとしたり自分の評価を気にしたりしていないかを冷静に考えていただきたいです。

最期まで自宅で過ごしたいと願う本人の想いに応える、家族としての心構えや覚悟が一番重要だと思います。

 

―病院中心のヘルスケアシステムの限界が叫ばれる中、看取りに関するお考えをお聞かせください。

親の介護をすると、自分がどういう医療介護を受けたいかが具体化します。まだまだ病院にいくことが当たり前の時代、病院で積極的な治療を受けられないことを不満に思っておられる方がたくさんいらっしゃいます。しかし、病院に頼りすぎないことが見かたを変えると尊厳を守ることになり、結果として幸せにつながるということを一部の人はすでに体験として、親の介護を通して知っていると思います。

亡くなる場所自体はそれほど重要な問題ではなく、生活の流れの中で自然な死を迎えられること、生活の場で看取るということ、濃厚な医療の介入によって命の量が左右されたり、本人の望むものとかけ離れた状況で死を迎えることをしないことが大切だと思います。

 

「家で天寿を全うする方法」(著)太田秀樹 出版社:さくら舎 平成27年7月8日発売

 

―今後の取組みに関してお聞かせください。

在宅医療の全国的な普及とともに、在宅医療のエビデンスを出さないといけないと考えています。在宅医療は良いといっても根拠があるのか、医療の質としてはどうなのかという点について、本来はナショナルセンターや大学がやるべきかもしれませんが、現場を持っている立場からメッセージを出す必要があります。すでに厚生労働省からもモデル事業や調査研究を委託されていますが、こうした活動に積極的に取り組んでいこうと思っています。

 

 

==============================

医療法人アスムス

栃木県で20年以上在宅医療に取り組んでいる医療法人

現在、在宅療養生活の支援をされている患者さんは約300人。約7割の方がご自宅で最期を迎えられる。

住所:栃木県小山市喜沢1475-328

電話番号:0285-24-6565

===============================

 

 

 

 

Pocket

コメントを残す