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吉村 光生 先生

職種:理学療法士(リハビリの先生)

勤務種別:介護老人保健施設(介護老人保健施設ひまわり荘 リーダー)

経験年数:11年目

 

健康寿命を伸ばすためにも、利用者・介護者さんとリハビリ職は、本来もっと早く出会うべきなのです。

 

利用者さんの潜在能力を引き出す事が、理学療法士の役目

-吉村先生、こんにちは。早速ですが、今されているお仕事の内容を教えてください。-

リハビリ専門職として、脳卒中などの病気や骨折によって身体が不自由になったことで生活がしづらくなった人に、再度ご自宅で生活ができるように、リハビリテーションを通して支援させて頂いています。

 

-介護老人保健施設(老健)の利用者さんってどんなことに困っているのですか?-

老健だと、歩くことが困難な人が多いですね。一方で、歩くという動作は日常的に必要ですからリハビリテーションを頑張っている人が多いです。

あとは、「排泄」ですね。

例えば、ご家族が共働きの場合、介護のために夜眠れないと非常にキツイですが、排泄は夜中でも介助が必要ですよね。

ですので、皆さん排泄を自力でできるように頑張っています。

 

-どういう疾患の方が多いですか-

脳血管障害、骨折、パーキンソン病が多いです。あと、2~3割の方が認知症なので、我々の施設は150床のうち、65床が認知症ユニットになっています。

 

-ところで、吉村先生が理学療法士になったきっかけは何ですか-

スポーツをやっていましたが、ケガをしてしまいました。その時に理学療法士の方と出会い、理学療法士の社会的な意義を見出し、目指そうと思いました。

 

-理学療法士の特殊能力は何ですか-

ひとつめは、利用者さんの身体状況と環境を分析し、潜在能力を引き出せることだと思います。潜在能力を引き出すというのは、ご自宅の環境で、いかにきちんと動作できるようにするかという事です。ですので、リハビリ室には、ご自宅の環境を想定した道具・器具等が設置されていますし、理学療法士もご自宅の環境を意識して、様々な職種の方と協力しながらリハビリテーションを行っています。

 

ふたつめは、リスクと利用者さんの目標のバランスを測定できることです。

利用者さんやご家族には様々な目標があります。例えば思い出の場所に旅行に行きたいとか、自力で洗い物ができるようになりたい等です。身体のリスクを極力抑えながら、それらの目標を実現するためには、どうしたら良いのかという事を仮説検証を繰り返して実現していきます。

 

みっつめは、適切な身体の使い方や能力の引き出し方のアドバイスをADL(※日常生活動動作のこと。食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動のこと)ごとにできることです。利用者さんによって重視しているADLは異なりますので、個々人のADLに合わせたアドバイスをすることができます。

 

 

排泄の問題がクリアできれば、在宅で介護できる可能性は高まる

 -先生がリハビリテーションを実施する上で意識していることは何ですか-

ご家族の人と話をしていると、「自宅では介助できません」という方が多いのですが、それを額面通りに受け取るのではなくて、何が難しくて介助できないのかを掘り下げて話すことを意識しています。ですので、利用者さんやご家族からの最初の情報収集の段階はかなり重要です。ここにズレが発生すると、目標等にもズレが発生しますので、当然リハビリテーションの内容にもズレが発生してしまします。

 

また、リハビリの専門家の情報収集のクオリティは高いと思います。目的や課題を明確にできるのです。

目的や課題は特に「排泄」が多いです。仮に排泄の問題をクリアできれば、施設に入居しなくても、在宅で介護できる可能性は非常に高まると思います。

 

 

理学療法士として、仮説の限界を作らないことが重要。

 -理学療法士としてのやりがいは何ですか-

印象に残っている利用者さんがお二方います。

 

一人目の利用者さんは、車椅子でデイケアと訪問リハを頑張っていた利用者さんです。

最初は受け入れはよくなかったのですが、個別リハビリテーションだけでなく、生活全般の支援、デイケアに通っているときの頻繁な連絡、生活を意識したリハビリテーションの実施等を通して、信頼を構築していきました。

最終的に、できなかったことができるようになり、生活の中で自主的に新たな活動への挑戦をしているということを聞いたときに、非常にやりがいを感じますね。

自分の想像以上の挑戦を利用者さんがされていると聞いたとき、「自分が利用者さんの限界を作っていたこと」を反省したこともあります。

もう一人は、高齢者の方で脳梗塞でした。

ご自宅でほとんど歩かない人でしたが、「お墓参りに行きたい」という目標を見つけて、お墓参りに行くには段差が多い。だからリハビリテーションしたいと仰って下さいました。

最初はご本人もできないと思っていましたが、そのケースはご本人の頑張りとご家族の懸命な支援で、無事お墓参りに行けた時ですね。特に本人だけでなく、ご家族が一緒になって頑張っているのを見ると、ますますやる気が出てきますね。

 

 リハビリ職と利用者・介護者さんは、もっと早く出会うべき。

 -吉村先生の今後の理学療法士としての抱負は何ですか-

「介助の仕方が分からない」というご家族の悩みも多いので、リハビリ職の専門性を活かしたり、介護士さんと協力しながら、介助指導を通して、もっとご家族との関わり合いを増やしていきたいですね。

例えばご家族向けのセミナーや講習会で、介護士の方やご家族の方にリハビリスキルを広めていきたいと考えています。

本来、リハビリテーションは予防医学と言われているので、本来、理学療法士と利用者さんやご家族は、もっと早く出会うべきだと思います。

なかなか出会う機会がないですから、もっと接点を増やしていきたいと考えています。

その接点のひとつとして、セミナーや講習会、オヤミルのようなWebがあると思います。

もっと早めに出会えたら、健康寿命をもっと伸ばすことができると思います。

 

あとは、家屋調査に行くのも、自治体との連携を視野に入れた家屋調査を実施したいですね。ある行政が理学療法士を採用したいという話も聞いているので、家屋調査などで、もっと地域に貢献したり予防事業も拡大していきたいですね。

 

-ありがとうございます。最後に介護を頑張っている皆さんにメッセージをお願いします-

「リハビリ = マッサージ」という認識がまだ強いと思いますが、勿論全然異なるものなので、「リハビリテーション = 生活」「リハビリテーション = 身体のアドバイザー」と認識して頂ければ嬉しいです。何か迷ったら近くのリハビリの先生に頼ってください。ケアマネジャーさんや、民生委員の方、もしくはリハビリを実施している近くのクリニックに尋ねてみてください。介護は大変だとは思いますが、絶対に諦めないでください!私たち、理学療法士が付いています!

 

 

 

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