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大郷 和成 先生

職種:作業療法士

勤務種別:放課後等デイサービス 「遊びリパーク Lino’a」

 

作業療法士としても、一個人としても「もっとワクワクできる場」を、作りたい。

 

-大郷先生は、勤めていた病院を退職されて、新しい法人を立ち上げられたとお聞きしました。新しい法人の活動内容と想いをお伺いできますか。

はい。友人とともに「NPO法人Laule’a(ラウレア)」を立ち上げました。事業の一つとして、放課後等デイサービス「遊びリパーク Lino’a(リノア)」を開設し、障がいを持つ子供たち(最初は、特に肢体不自由の子どもたち)に対して、遊びとリハビリを兼ねたデイサービスを神奈川県藤沢市の辻堂団地という場所で運営していきます。

 

また、子どもたちのデイサービスと同じ場所に“多世代交流型コミュニティ・カレッジ”という介護予防事業や寺子屋事業を行う場所も併設し、子供から高齢者まで、多世代が交流できる“場”作りを提供します。世代の壁を取っ払うことで、子どもたちは楽しみながらリハビリができますし、高齢者の方も、子どもとの接点を持つことで、一緒に楽しみながら運動し、結果的に介護予防を実現できると考えています。

 

現状、悩みを抱えたり、困っている子供たちや、その親御さんなどの地域のニーズがたくさんあるにもかかわらず、“場”が圧倒的に足りていないため、私自身がハブになって、共生社会の実現に向けてどんどん仕掛けていこうと考えています。

また、辻堂団地という高齢化率が高くなってきている団地が舞台になっていることもあり、将来的には訪問看護ステーション等の開設も視野に入れて、取り組んでいます。

 

-Lino’aのコンセプトを教えてください。

「遊ぶ力」「学ぶ力」「生きる力」を身に付けようというのがコンセプトです。

換言すると、リハビリテーションの要素を取り入れながら、ワクワクできる事、楽しめる事を一緒に実現しよう!という事です。

そのようなコンセプトですので、私は作業療法士としての専門性は前面に出さず、子どもたちの自己実現を支援したいと思います。

ちょうど先日(2015年7月26日)にも、我々のコンセプトと同じような活動に参加してきました。

「鎌倉バリアフリービーチ」というイベントで、「障がいのある方々が海水浴を楽しめるように」というコンセプトの活動で、ボランティア50人、子供たち20人くらいが参加しました。

そこでは子どもたちが自由に海を楽しんでいました。そのような体験の場をLino’aでも作って、一緒に楽しみながら作業療法士としても活動の中で支援できれば良いなと思うのです。

他にも親子ヨガや、臨床美術(クリニカルアート)という独自のアートプログラムに沿って創作活動を行うことにより脳を活性化させることを目的とした活動を通して、認知症予防や子供たちの潜在能力を引き出す活動なども行っていきたいと考えています。

 

-子どもたちや高齢者の方が、構えずに入っていける“場”は良いですよね。

そうですね。例えば、発展途上国では社会資源が少ないので、地域でみんなを支えていくというCBR(コミュニティベースドリハビリテーション)という概念が生まれ、様々な社会問題を地域全員で解決していますよね。

日本でも訪問リハビリテーション等だけでなく、地域でみんなを支えていくという第3の場所が必要になってくると思います。

地域のみんなで知恵を出し合っていくことや、自由度が高いところで活動することで、色んなアイディアや活動が生み出されると思うのです。

そういう場にいることによって、私自身も新たな役割やアイディアの活かし方に気付くことができます。

 

また、私は、自分の活動と考え方を説明するときに“Well-Being”という言葉をよく使います。

“再び”という意味を含むリハビリテーションという言葉は、個人的にあまりしっくりきていません。“再び”というと、“マイナスをゼロにする”というイメージが強いですからね。そうではなくて、障害のあるなし関係なく、いまここからより良くなって幸せになる、“いまここからプラスにしていく”という“Well-Being”の考え方を持って活動していきたいですし、その活動を通して、地域の底力を生み出していきたいと考えています。

 

-作業療法士を含むセラピストにとっても、そのような活動に参加し、壁打ちする人がいれば、自分自身の可能性に気付く可能性も高まりますね。

そうですね。一人で考えていても何も始まらないことが多いので、“場”を作ることに意義があると思いますね。様々な活動をしている認知症関連のNPO法人があるのですが、その法人に参画している人たちは一般企業に勤めている人たちなので、アイディアが面白いんですよ。専門職にはない強みだと思います。ですので、今後は、さらに異業種の方とセラピストがマッチングしていくことは重要だと思います。一般企業の方のアイディアと我々のような作業療法士の社会生活課題の専門性を組み合わせることで、もっと世の中をワクワクさせることができる活動を生み出せるかもしれません。

私はそのような場を通して、自分自身の専門性を、どんどん世の中にシェアしていきたいですし、極論すれば、作業療法士がいなくても、個人個人が、さらに自立できる社会の仕組みを作っていきたいと考えています。

 

 

 

 

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